情報の使い方
こんにちは、高椋です。今日はアレクサンダー・テクニークを学ぶ際に情報をどのように生かせばいいのかについて書いてみました。
先日、『運動学習とニューロン新生』というテーマで記事をアップした後、ある生徒さんから、「アレクサンダー・テクニークを学ぶのにこのようなことを知っておく必要はありますか?」と聞かれました。
僕の答えは「必要ないですよ。」でした(笑)
その前の記事『天才の学び方』でも述べていますが、アレクサンダー・テクニークを学ぶ際にも、一番大事なのは体験して出来るようになる、そして腑に落ちる。というプロセスです。
ATを学んで肩こり腰痛を改善したい、何かが上手くなりたいというような自分の為に使いたい場合、脳科学などの情報は全く必要ありません。
場合によってはボディマッピングも、さらに言えば、F.M.アレクサンダーの書いた本も読む必要はないでしょう(笑)
もちろん、興味のある人、教師になりたいという人は別ですが。
情報(知識)は出来るようになるために絶対に必要なものではありません。では、これらの情報はどのように使ったらいいのでしょうか?
その前に、まず良くある間違った情報の使い方の一例を。
それは、身体に情報(知識)を押し付けることです。
例えば、脊椎は逆S字にカーブしているからとそのようにしようとして、逆に背中を緊張させてしまうことがあります。
生きている身体は常に動いているものです。そこに、情報(固定されたもの)を押し付けると身体は窮屈ですよね。でも、身体は素直なのでその通りに表現(緊張)してくれます。
このような例は、いろんなパターンで見られます。その場合、レッスンでは、生きた動き、一瞬一瞬に起こることとして捉え直してもらったりします。
では、情報を上手く生かすにはどうすればいいのでしょう?
一つはモチベーションを上げるという使い方があります。
なんでやるのか? どのようにいいのか? などが明確であれば「よし、やろう、続けよう」というモチベーションに繋がります。特に大人の場合は。
ただ、先日の記事で友人のフィットネスコーチが、「シニアの方に運動すると良い脳内物質が出ることを教えると、はりきり過ぎて故障するまで頑張ってしまうことがある。」と教えてくれました。
モチベーション、あがりすぎちゃったんですね(苦笑)
教える人が情報をどう使って行くべきかを考えさせられます。
他には、やはり知っていると早い場合があります。
例えば、ボディマッピングをただの骨や筋肉の仕組みではなく、
動き方の理屈、原理が分かる → 間違った動きが抑制される → 原理に則った自然な動きが現れる。という使い方ができると早く変化を体験することができます。これは、知識を使える情報に変換できたと言えるでしょう。
”情報を生きたものに変換する”、この部分は目に見えないので言葉にすることができません。
ですが、これが上手い人はコーチや先生の言語による指示を上手く体現できます。
習い事をしていても、上達が早い人っていますよね。
アレクサンダー・テクニークのレッスンでは、その辺りのコツがつかめるようになるので習い上手にもなれます。
情報(知識)は使い方しだいで毒にもなれば薬にもなるということを頭の片隅に置いておきたいですね。