涙のシャチハタ事件
こんにちは。火曜夜を担当している滝波日香理です。
私はアレクサンダー教師をしていないときは、会社員をしています。
このところ会社の仕事が忙しくて、ブログの更新もままならず。
先週から今週にかけては、大量の郵便物の発送準備をしていました。
数種類の文面を作って、文面チェックにさしこみ印刷。
それから宛先データを用意して、封筒に印字。
郵便物を作るって、結構気を使うのです。
今日はその封筒に、「○○在中」というはんこを押していました。
そう、はんことスタンプ台が一体になった、あれ。
日本人なら誰もが知っている、シャチハタというやつです。
当初のスケジュールでは、今日発送するはずだった郵便物。
色々と予期せぬ事態が起きて、予定は遅れに遅れ、私はかなりあせっていました。
猛スピードで何百通の封筒にはんこを押す。
途中、赤い色が薄くなってきたので、私はインクを補充することに。
しかし……インクを足せども足せども、色がちっとも濃くならない。
もっと必要なのか? そうなのか?
いぶかりながらも、私はインクをドバドバと足しました。
その後、ちょっと別の仕事をはさんで、
小1時間ほどしてから、私はまたシャチハタ業務に戻りました。
すると…どうもシャチハタの様子がおかしい。
ペコンと押す。
よし、色が濃くなっている。
しかし、スタンプ面が……元の位置に戻らない。
さっきまでは、あんなに軽快なリズムで動いていたのに、なぜだ?
どうもインクの粘り気で、すべりが悪くなっているようだと
思ったそのとき、私は、ありえない光景を見たのです。
シャチハタが、血の涙を流しているのを。
しかもそれは本来インクが出るべきスタンプ面ではなく、
インクを補充するときに開けたフタのあたりから、
赤い液体が、じわじわ、じわじわと流れ出ているのだった…
ひゃああああああ!
人気の少ない夜のオフィスに、私のかすれた悲鳴がこだまする。
あわててティッシュでインクを拭うも、
みるみる染み行くインクの勢いに、なすすべもない無力な私。
あわれ鼻血か切り傷か。
このティッシュ、掃除のおばちゃんが見たらびっくりするな。
「○○在中」「○○在中」「○○在中」「○○在中」…
手近にあった裏紙をつかみ、シャチハタを狂ったように押しまくる。
しかし、血塗られたようなその刻印は、どう見ても果たし状。
どれだけの数、にじんだ赤いはんこを押しただろうか。
ようやくインクの出が落ち着いた頃、私は静かに悟ったのだった。
シャチハタのインクはすぐには滲みこまないということ、
そしてインクには適量があり、それはほんの少しで良かったのだということを。
えっ、その時の頭と脊椎の関係性ですか?
はい、サッパリ忘れてましたとも。
なんか、アレクサンダー的にいいオチにしようと思ったけど、
書いてみたら、なんか楽しくなっちゃったから、もういいかと。
チャンチャン♪