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リハビリのコツ②〜神経系を再構築する〜

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スポナビのブログに書いた記事です。スポーツやリハビリに興味のある方はぜひお読み下さい。あっ、もちろんアレクサンダー・テクニークにもです。

先日の野球の松坂大輔選手の1軍登板は残念な結果に終わりました。

そして、サッカーの内田篤人選手。検査の結果では良い方向に向かっているようですが、復帰までに長い時間が掛かっています。

さて、長年、本格的に競技を続けてきた人達が故障したり、スランプに陥った後に復帰するのは大変だと思います。この記事では、リハビリの際に障害になる緊張パターンについてと、神経系を再構築する方法について書いていきたいと思います。

何かのきっかけで不要な筋の緊張がパターン化されてしまうことがあります。

例えば
・ケガを庇うためにバランスを崩してしまい、その状態が習慣となってしまう。

・筋力や体躯が変わったのに、以前と同じ感覚を求めて力んでしまい、それが習慣となってしまう。

・もともとの動作の中に、問題にならない程度ではあるが緊張のパターンが含まれていて、それが、長年の反復で強化されて痛みや故障として現れる。

・不安や焦りで、緊張のパターンを増幅、または新しく獲得してしまう。など

これらのやっかいなところは、本人がその動作を「する」と思った時点で、その緊張パターンのスイッチも一緒にONになってしまうことです。

それはほぼ自動的に入ってしまうので、何が必要な動作で、何が不要な緊張パターンかということを認識するのはなかなか困難です。そして、認識できないのであれば、それをやめることはできません。

さらに問題なのは、この緊張パターンを持ったままで、新しいフォームの練習をしたり、筋トレなどで身体を作っていくと、問題が解決されないどころか、ますます緊張パターンが強化されてしまうことがあるということです。

この傾向がひどくなっていくと、自分でコントロールできないところまで行ってしまうこともあります。

例えばフォーカルジストニア(動作を実行しようとすると、その部位が震えたりして、やりたい動作ができなくなる症状)などは、心理的な不安などと筋の緊張パターンが結びついて、治そうと思えば思うほどに強化されてしまい、制御不能になるところまで行ってしまったという症状の一例です。

では、どうすればいいのでしょうか? 

まずは、自分が無意識にやっている不要な緊張パターンを認識することが最初の一歩です。

それには、とても繊細な感覚が要求されます。

 特にアスリートは普段、強度の高い、たくさんの神経を動員するようなトレーニングに慣れているので、最初は物足りない感じがするかもしれませんが、繊細さの中でしかできないこともあることをご理解ください。

 
 ①まずは、静かなところに立ちます。最初は眼をつぶってもらってもかまいません。

 
 ②その動作を「するぞ!」と思います。が実際にはやりません。その時、筋にピッと緊張が走るのが分かると思います。特に首や背中に走る緊張のパターンがあるかどうかを気にしてみてください。
  
*緊張を感じられないくらい筋肉が固まってしまっている場合は、まずは、ゆるめることが必要です。床に横たわり膝を立て、頭の下に本などを置きます。しばらくの間、重力にまかせて緊張がゆるむのを待ちましょう。

 
 ③その緊張はその動作に必要なものでしょうか? それとも不要なものでしょうか? 
  スムーズな動作の動画を見たり、動作のメカニズムなどから検討してみましょう。
  又、動作にブレーキを掛けている感じがするなども判断の基準になります。

 
 ④その動作を「するぞ!」と思ってみるが、実際はやらないで緊張パターンをやり過ごす。その直後にやりたい動作を身体の感覚と一緒にイメージする。

 ⑤やりたい動作が、緊張のパターンなしでイメージ(身体感覚も一緒に動員して実行)できるようになったら、実際に軽くその動作を行ってみる。

 
 ⑥ 緊張パターンが起きなければ、少しづつ強度を上げて行く。もし、緊張パターンが起こったら、そこで緊張パターンに「ちょっと待った」をかけてやり過ごし、やりたい動作を実行する。

 
 ⑦実際の強度、スピードで行うことができたら、負荷を上げて行き、実戦で使える身体を作って行く。このころには、動作を行う最中に、自分で緊張パターンが起こっているかどうかを認識できるようになっています。

 このように書くと簡単そうですが、実際のところは数週間〜数ヶ月かかるプロセスです。

 習慣化された神経系を新しく刷新するというのは、それぐらい繊細で、時間の掛かる取り組みとなります。

 しかし、⑦までたどり着いた方は、動作を自分で調整する能力が身に付きます。

 繊細なレベルで自分の動作を認識し、調整することができる能力は、選手寿命を伸ばすためにも必要な能力です。

 例えば、野球のイチロー選手はその最高のお手本ですね。

 早く治さなくてはと焦っている時に、こんなに時間がかかる方法をと思われるかもしれませんが、急がば回れとも言います。

 現在、リハビリが上手くいってなかったり、スランプで困っている方は、まずは、①〜③を試してみてください。

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